【図解四柱推命】命式から五行バランスを出す方法(例2)

命式から五行バランスを出す方法 例2

今回は前回に続き、前々回の記事の補足的な内容として、命式から五行バランスを出す方法の実例をご紹介します。

※五行バランスについての詳細や読み解き方の概略は、前々回の記事【図解四柱推命】命式から五行バランスを出す方法 をご覧ください。

今回読み解く命式

今回例に取り上げる命式は以下の通りです。

命式から五行バランスを出す手順

(例2)五行バランスを出す手順1

まずはじめに、命式内の4つの地支に対して、十二支の法則が成り立つかどうか調べます。申・卯・辰・寅の中で互いに結びつくのは、卯・辰・寅の1組のみです。卯・辰・寅は東方合の関係であり、3つが結びつくことで木の五行が強まります。

※十二支の法則についての詳細はこちらの記事をご覧ください

(例2)五行バランスを出す手順2

次に、命式内の4つの天干に対して、ひとつずつ通根する地支を調べます。年干の壬は申と辰に弱く通根し、水の五行が強まります。月干の癸も、年干と同様に 申と辰に弱く通根し、水の五行が強まります 。
日干の庚は申に強く通根し、金の五行が強まります。時干の戊は辰に弱く通根し、土の五行が強まります。(火土同根の法則により、土の十干は火の十二支に最も強く通根するため)

※通根についての詳細はこちらの記事をご覧ください

(例2)五行バランスを出す手順3

最後に、命式内の十干・十二支を五行ごとに分類し、月支が他の地支の3倍の力量を持つことを考慮して、五行の強弱に順位を付けます。

命式内の十干・十二支を五行ごとに分類
木の五行:卯・辰・寅
火の五行:ほとんど無し

土の五行:戊・(辰)
金の五行:庚・申
水の五行:壬・癸・(申)・(辰)
五行の力量が強い順に並び替える
木の五行:卯・辰・寅
水の五行:壬・癸・(申)・(辰)
金の五行:庚・申
土の五行:戊・(辰)
火の五行:ほとんど無し

木の五行は地支にしかありませんが、月支の力量が3倍になることを考えると、水の五行よりも強くなります。

命式全体の五行バランスを、五行の相互作用と併せてチャートにすると以下の通りです。

(例2)命式全体の五行バランス

図中の実線は五行の相生の関係を表し、点線は五行の相克の関係を表します。
この命式の五行バランスの特徴は、日主が生じる水の五行と、日主が剋す木の五行が多く、火の五行が殆ど無いことです、

五行の風景

以上の五行バランスをイラストとして表すと次のようになります。

水と緑に恵まれた大地に転がり、雨に打たれる鉄鉱石――これが上の命式の五行の風景です。

さいごに

」は鉄塊に例えられる豪気な十干です。日主が庚の人は鋼のような強い意志を持ち、理性的で情に流されない性格傾向となります。

その性格を活かすための方法として、一般的には「自分を曲げて周囲の利益を優先する」「重い責任を背負う立場につく」など、あえて自分に負荷をかける自己鍛錬の生き方が望ましいとされています。そうすることで、庚の人が持つ強さや鋭さが公の利益に還元され、結果的に地位や名誉を得ることができるからです。(→鉄塊を炎にくべながら、叩いて刀に鍛えるイメージ)
しかし、これは日主が庚の人全員に当てはまるわけではなく、命式の五行バランスによって例外が存在します。今回取り上げた命式もその一つです。
このような五行バランスの場合は、逆に、自分らしさやこだわりの強さを活かして、自由に夢を追いかける生き方が合っています。(→道具に加工される金属ではなく、原野に転がる自然のままの鉄鉱石のイメージ)。実際に、自分の人生を自力で楽しもうとするクリエイティブな方が多く、アーティイストやスポーツ選手、起業家として活躍する例も多いタイプです。

ただし、どちらのタイプであっても、決して「良い」「悪い」の優劣はありません。「日主が同じでも五行バランスによって運の開き方が変わってくる」ということ自体が、何より重要だと考えています。

今回の記事は、あくまでも「五行バランスの出し方」がテーマです。五行バランスを実践的に活かすのに必要な「通変星」については、後ほど別の記事にまとめます。

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