図解と写真で見る二十四節気の立夏

この記事では、二十四節気の立夏について「天体の動き」「陰陽五行」「文化と風景」の3つの視点で、図解と写真を使って視覚的にご紹介します。

天体の動きで見る立夏

地球は自転軸を傾けながら公転しています。このため太陽と地球の位置関係ごとに、地上で感じる日差しの強さや昼夜の長さが変化し、周期的な季節の移ろいが生まれます。二十四節気は、公転軌道を春分を起点に15度づつ区切った点のことで、地球の公転による季節変化を測るための指標となっています。

立夏は春分から45度公転が進んだ点で、日付は2021年の場合5月5日15時47分(日本標準時)となります。立夏は春と夏の境目となる点で、ここから約3カ月にわたり夏の季節が続きます。
一般的に「立夏」と言った場合、天文学ではこの点を通過する一瞬を指し、暦ではこの点を含む日を指します。期間を表す名称でもあり、その場合は立夏から小満前日までの約2週間を指します。

立夏の太陽と地球の位置関係

太陽の光が地上に届くと、まず地面が熱せられ、次に地面の熱によって気温が上がります。つまり、陽射しの強さと気温の上がり方にはズレが生じることになり、これが暦の季節と体感的な季節が異なる原因です。二十四節気は太陽と地球の位置関係によって決まるため「熱」ではなく「光」で感じる季節区分となっています。

立夏から小満の東京の平均南中高度は、前の期間から5度上がって73度に達します。南中高度の上昇する勢いは晩春と同じですが、気温が一段と上がって一気に初夏らしい気候になります。
南中高度はこれ以降夏至にかけて僅か5度の上昇となり、その勢いは著しく穏やかになっていきます。立夏は「明るくなっていく季節=春」の名残りを残しつつ「明るい季節=夏」の兆しが感じられる時期です。

平均気温と平均南中高度のグラフ
節気間の平均南中高度と月間の平均気温の比較(東京)
立夏小満芒種夏至小暑大暑
73度76度77度78度76度73度
立夏から大暑までの平均南中高度(東京)

陰陽五行で見る立夏

陰陽五行説は古代中国で生まれた自然哲学で、東洋医学や易・四柱推命などの占いの基礎となっています。「陰陽」と「五行」は万物の成り立ちや変化を説明するための概念で、太陽の動きや季節変化から着想を得たものだと言われています。陰陽五行説では二十四節気の移り変わりが、陰と陽のバランス変化や五行のサイクルで説明されています。

立夏はひとつ前の穀雨に比べ、更に陽が増して陰が減った状態です。陰から陽に転じる「春」の季節が終わり、陽が極まって陰に傾きかける「夏」の季節がはじまる時期です。
立夏から大暑までの夏の季節は、火の五行が盛んな期間とされています。火の五行は陽が極まって陰に傾く手前の状態を表し、炎と共通の性質を持ちます。夏は太陽が常に高く気温も安定して上がり、植物も大きく成長して収穫期が目前の季節。このことから「上昇が極まる」「明るく輝く」というキーワードが炎の性質に繋がります。

陰陽と五行のグラフ
節気ごとの陰陽のバランス変化と季節ごとの五行の変化

文化と風景で見る立夏

二十四節気を含む古代中国生まれの暦は、その後周辺各国に伝わっていきました。そのため、季節の行事や風習はアジア各地で共通のものが多くあります。ただし、同じ節気であっても各地で気温や降水量が異なるため、季節の草花や食べ物に関しては様々です。

ここでは、二十四節気にまつわる行事や風物詩として、身近な日本のものを中心にご紹介します。

端午の節句

端午の節句は中国から伝わった風習で、日本では古くから男の子の健やかな成長を願う日とされていました。現在では広く子供の幸せを願う「こどもの日」として、国民の祝日となっています。本来端午の節句は午月の最初の午の日(旧暦5月上旬=グレゴリオ暦6月上旬)に行われていましたが、明治以降改暦に伴いグレゴリオ暦の5月5日に代替的に行われるようになりました

菖蒲の花

鋭い葉に鮮やかな紫の花をつけ、凛とした美しさのある菖蒲の花。端午の節句には、古くから葉や花が厄除けとして用いられてきました。花の見頃自体はもう暫く後で、比較的暖かい地域では6月ごろとなります。

ちまき・柏餅

端午の節句といえばちまきと柏餅。ちまきは端午の節句の風習として中国から伝わり、柏餅は子孫繁栄の縁起物として日本で生まれたものだとされています。端午の節句のお菓子はには地域差があり、ちまきや柏餅のほかにも草餅や笹団子などが食べられています。

ツツジの花

鮮やかな色合いが美しく、生垣などで馴染み深いツツジの花。比較的暖かい地域ではこの時期が見頃で、寒い地域では暫くしてから順次見ごろが訪れます。

立夏

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